xreal air 公式より引用
https://jp.shop.xreal.com/products/xreal-air-2-ultra
拡張現実(AR)技術は近年目覚ましい進化を遂げ、ARグラスなどのハードウェアと相まって、より高度なARアプリケーションの開発が可能になってきました。その最新デバイスが、XREAL社から発表された「XREAL Air 2 Ultra」です。
この記事では、XREAL Air 2 Pro と XREAL Air 2 Ultra 比較、XREAL Air 2 Ultraの詳細な仕様と特徴、そして開発者にもたらすメリットデメリット、どんな人におすすめなのかについて解説します。ARアプリ開発に携わる方は必見の情報となっています。
XREAL Air 2 Ultraとは?
XREAL Air 2 Ultraは、2024年3月31日に発売が開始される最新ARグラスです。価格は99,800円(税込)と比較的手頃な価格設定ながら、高度な機能を多数搭載しています。※5月末に延期されました。
- 6自由度(6DoF)対応のハンドトラッキング/ヘッドトラッキングに対応
- インフレーム型3D環境センサーを搭載し、高精度な空間認識が可能
- ハンドトラッキングやデプスメッシュ、空間アンカー、平面検出などの先進機能
- 最大120Hzのリフレッシュレートと1920×1080の高解像度ディスプレイ
- 52度の広い視野角(FOV)と42PPD(ピクセル密度)の高精細描画
主に開発者向けに設計されていますが、一般ユーザーも購入可能です。
XREAL Air 2 Pro vs XREAL Air 2 Ultra 比較表
項目 | XREAL Air 2 Pro | XREAL Air 2 Ultra | 補足 |
---|---|---|---|
サイズ | | 148.5mm x 48mm x 161.5mm | – |
重さ | 75g | 80g | – |
ディスプレイ | SONY製 0.55インチ Micro-OLED | Sony OLEDマイクロディスプレイ | – |
解像度 | 1920 x 1080 (片眼) | 1920 x 1080 (片眼) | – |
視野角 | 46° | 52° | – |
PPD | 49 | 42 | – |
リフレッシュレート | 最大120Hz | 最大120Hz (2D:120Hz, 3D:90Hz) | 3Dモードでは90Hz |
輝度 | 最大500nits | 最大500nits (2D:30-500nits, 3D:20-250nits) | 3Dモードでは低輝度 |
調光 | 3段階エレクトロクロミック | 3段階エレクトロクロミック | – |
フレーム | – | チタン製 | 軽量で丈夫 |
ノーズパッド | 新型ゼロプレッシャー | ゼロプレッシャー (S/M/L) | サイズ調整可能 |
テンプル | 3段階調整 | 3段階調整 | – |
処方レンズ | 対応 | 対応 (取り外し可能) | Air 2 Ultra専用 |
センサー | – | 3D環境センサーx2 | 空間認識機能に必要 |
行動認識 | ハンドトラッキング、ヘッドトラッキング | ハンドトラッキング、ヘッドトラッキング | – |
環境認識 | – | 6DoFトラッキング、デプスメッシュ、空間アンカー、平面検出、画像追跡 | 高度な空間認識機能 |
オーディオ | 内蔵ステレオスピーカーx2、音漏れ軽減 | 内蔵ステレオスピーカーx2、音漏れ軽減 | – |
マイク | マイクx2 | マイクx2 | – |
その他 | – | LEDインジケーターライトx2 | – |
結論
XREAL Air 2 ProとXREAL Air 2 Ultraは、どちらも高性能なARグラスですが、いくつかの重要な違いがあります。
- 輝度: 2Dモードではどちらも最大500nitsですが、3DモードではAir 2 Ultraは最大250nitsまでしか低くなりません。
- フレーム: Air 2 Ultraは軽量で丈夫なチタン製フレームを採用しています。
- 空間認識: Air 2 Ultraは、6DoFトラッキング、デプスメッシュ、空間アンカー、平面検出、画像追跡など、高度な空間認識機能を搭載しています。
どちらを選ぶべきか
- 軽量で丈夫なフレーム、専用の処方レンズ、高度な空間認識機能を求める場合は、Air 2 Ultraがおすすめです。
参考情報
- XREAL Air 2 Pro 公式サイト: https://www.xreal.com/air2
- XREAL Air 2 Ultra 公式サイト: https://jp.shop.xreal.com/products/xreal-air-2-ultra
要するに、『XREAL Air 2 Ultra』は、『XREAL Air 2 Pro』に比べて、より高度なトラッキングと空間認識が可能な6DoF対応デバイスであり、インフレーム型3D環境センサーが搭載されています。
また、空間コンピューティングに対応しており、ハンドトラッキングやより複雑な環境認識機能を備えています。価格は『XREAL Air 2 Pro』よりも高く設定されていますが、これは上記のような追加機能が反映されているためです。
XREAL Air 2 Ultra 高度なARアプリ開発を加速
XREAL Air 2 Ultraの最大の魅力は、高精度な空間認識と動作トラッキングにより、リアルでインタラクティブなARコンテンツの制作が可能になる点です。
特に注目すべき機能は以下の通りです。
- 6DoF空間認識 グラスの空間的な動きをモニターするアプリケーションで、リアルタイムで位置座標と回転データを提供します。
- 画像追跡 目標視線内の画像に応じて追従できるARアプリを搭載しています。本、雑誌、ポスターなどの物理的な画像の存在を認識してデジタルコンテンツを配置できます。
- ハンドトラッキング 高精度のハンドトラッキングにより、ユーザーは直感的にピンチ、グラブ、スワイプの動作を利用してARグラフィックオブジェクトを操作することができます。
- 平面検出 現実世界の水平面と垂直面の両方を検出し、仮想オブジェクトを固定できるようにしています。
- デプスメッシング リアルタイムのオクルージョンレンダリングと統合されており、環境の3D実現を生成します。
- 空間アンカー 共有の参照フレームを使用することで、永続的な仮想空間をユーザーが同じ物理的な場所にデジタルコンテンツを配置するようになります。
こうした機能を活用することで、開発者はリアルな体験を提供するARアプリやゲームを効率的に開発できるようになります。
開発環境と対応デバイス
XREAL Air 2 Ultraの空間コンピューティング機能を最大限活用するには、Snapdragonプロセッサ搭載のSamsung Galaxy S22/S23が必要となります。
また、開発者向けにXREAL独自のSDK「NRSDK 2.2」が提供されています。ハンドトラッキングなどの先進機能にアクセスできるほか、ARアプリの開発が容易になるでしょう。
ただし、NRSDKがOpenXR規格に準拠していないため、開発コミュニティの成長が制限される可能性があることに注意が必要です。
メリットとデメリット
XREAL Air 2 Ultraを検討する際のメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 手頃な価格で高性能なARグラスを入手可能
- 高精度な空間認識とリアルなAR体験をアプリに実装できる
- 開発者向けSDKで効率的な開発が可能
【デメリット】
- 開発SDKがOpenXR非準拠のため、将来的な発展に懸念がある
- 空間コンピューティング対応デバイスが限定されている
XREAL Air 2 Ultraのメリット デメリット
メリット
- 超軽量デザイン: たったの80gという重量で、長時間の使用でも疲労を感じにくい。
- 高精度トラッキング: 最先端のハンドトラッキングと環境認識技術で、リアルタイムのインタラクションが可能。
- 鮮明なディスプレイ: 52°の広い視野角と高解像度のSony OLEDマイクロディスプレイにより、圧倒的な没入感を提供。
- 調光可能: 3段階の電気クロミック調光技術により、屋内外での使用が快適。
- 汎用性の高い互換性: 様々なデバイスとの互換性があり、広範な用途で使用可能。
デメリット
- カメラ機能の不在: 写真撮影や録画ができないため、その機能を求めるユーザーには不向き。
- 特定技術への依存: NRSDK 2.2以降に依存しており、過去のバージョンや他の開発キットとの互換性がない。
XREAL Air 2 Ultra おすすめする人 しない人
おすすめする人
- 開発者: 先進的なAR体験を開発したい方。
- 技術愛好者: 最新技術を駆使した製品に興味があり、AR体験を楽しみたい方。
- プロフェッショナル: プレゼンテーションや仕事で、高度な空間認識能力を必要とする方。
おすすめしない人
- 写真撮影や録画を主目的とするユーザー: カメラは空間を認識するためのもので撮影などはできないため、この目的には適していません。
XREAL Air 2 Ultraは、最先端技術を駆使した超軽量ARグラスです。その優れた特徴と幅広い互換性により、多くの場面でその力を発揮します。しかし、全てのニーズに応えられるわけではないため、購入前にはメリットとデメリットをよく考慮してください。
まとめ
XREAL Air 2 Ultraは、空間コンピューティング機能などARアプリケーションの開発を加速させる優れたデバイスです。
リアルでインタラクティブなARコンテンツを手軽に開発できるメリットがある一方で、開発環境の継続的な発展に若干の不安もあります。
ARアプリ開発にXREAL Air 2 Ultraを活用するかどうかは、今後のプロジェクトの要件や開発計画次第となりそうです。
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